「オーダーメイド住宅で、自分たちのこだわりを詰め込んだおしゃれな家を建てたい」とお考えではありませんか。本記事では、インスタグラムで話題の素敵な実例30選をテイスト・間取り別にご紹介するとともに、オーダーメイド住宅の全てを専門家の視点で解説します。この記事を読めば、注文住宅との違いといった基礎知識から、デザインをおしゃれにする5つのポイント、費用相場とコスト管理術、後悔しない依頼先の選び方、完成までの具体的な流れまで網羅的に理解できます。結論から言うと、理想の家づくりを成功させる鍵は「明確なコンセプト設定」と「信頼できるパートナー選び」です。豊富な実例を参考に、あなただけの理想の住まいを実現するための第一歩を踏み出しましょう。
インスタで人気のおしゃれなオーダーメイド住宅実例30選
理想の住まいを形にするオーダーメイド住宅。そのデザインや間取りのヒントを得るために、多くの方がインスタグラムなどのSNSを活用しています。ここでは、インスタグラムで特に人気の高い、おしゃれなオーダーメイド住宅の実例を「テイスト別」と「間取り・特徴別」に分けて30選ご紹介します。これから家づくりを始める方が、具体的なイメージを膨らませるためのアイデアが満載です。ぜひ、ご自身の理想の住まいづくりの参考にしてください。
【テイスト別】オーダーメイド住宅のデザイン実例
まずは、住まい全体の印象を決定づけるデザインテイスト別の実例を見ていきましょう。外観からインテリアまで、統一感のある美しい住まいは多くの人の憧れです。
シンプルモダンなオーダーメイド住宅
無駄を削ぎ落とした洗練されたデザインが魅力のシンプルモダン。直線的なフォルムやモノトーンを基調とした色彩で、都会的でスタイリッシュな空間を演出します。素材の質感を生かすことで、シンプルながらも深みのある住まいが実現します。
- 実例1:白とグレーで統一されたミニマルな外観の家
凹凸の少ないキューブ型のフォルムに、白い塗り壁とグレーのガルバリウム鋼板を組み合わせた外観。生活感を隠す巧みな収納計画で、室内も常にすっきりとした印象を保ちます。 - 実例2:コンクリート打ちっぱなしが映えるリビング
リビングの一面にコンクリート打ちっぱなしの壁を採用し、無機質でクールな空間を演出。大きな窓から差し込む自然光がコンクリートの質感を際立たせ、モダンアートのような雰囲気を醸し出します。 - 実例3:アイアン手すりの階段が主役の住まい
リビングの中心に設けたスケルトン階段は、シャープなアイアン手すりがアクセント。空間を緩やかに仕切りながら、視線が抜けることで開放感を損なわない設計です。
ナチュラルテイストのオーダーメイド住宅
無垢材のフローリングや漆喰の壁など、自然素材をふんだんに使用したナチュラルテイストの住まい。木の温もりや素材の持つ風合いが、心安らぐ優しい空間をつくり出します。経年変化を楽しみながら、長く愛着を持って暮らせるのが魅力です。
- 実例4:木の温もりを感じる勾配天井のリビング
天井を高くし、梁を現しにすることで木の構造美をデザインの一部に。縦への広がりが生まれ、実際の面積以上の開放感とリラックス効果をもたらします。 - 実例5:漆喰の壁と無垢フローリングが心地よい空間
調湿効果や消臭効果も期待できる漆喰の塗り壁と、素足に心地よい無垢材のフローリングを採用。自然素材に包まれた、健康的で快適な室内環境を実現しています。 - 実例6:造作のウッドキッチンがあるダイニング
家の雰囲気に合わせてオーダーメイドで製作したウッドキッチン。インテリアとの一体感が生まれ、料理をする時間も楽しくなるような、おしゃれで機能的な空間です。
温かみのある北欧風デザインの家
シンプルで機能的なデザインに、自然の要素と遊び心をプラスした北欧スタイル。白やベージュを基調とした明るい空間に、アクセントカラーやデザイン性の高い照明、ファブリックを取り入れるのが特徴です。
- 実例7:ペールトーンのアクセントクロスが可愛い子供部屋
壁の一面に淡いブルーやグリーンのアクセントクロスを採用。木製のおもちゃや家具がよく映える、優しく可愛らしい雰囲気の子供部屋です。 - 実例8:デザイン性の高いペンダントライトが映えるダイニング
ダイニングテーブルの上には、ルイスポールセンなどに代表されるデザイン性の高いペンダントライトを設置。空間のアクセントとなり、食事の時間を豊かに彩ります。 - 実例9:大きな窓から光が降り注ぐ明るいリビング
北欧住宅の特徴である、自然光を最大限に取り込むための大きな窓を配置。日中は照明要らずの明るさを確保し、心地よい暮らしをサポートします。
落ち着きのある和モダンな家
日本の伝統的な建築美と、現代の暮らしやすさを融合させた和モダンスタイル。格子や障子、畳といった和の要素を取り入れながらも、モダンですっきりとしたデザインが人気です。どこか懐かしく、心から落ち着ける空間が魅力です。
- 実例10:格子戸が印象的な玄関アプローチ
玄関ドアの横に縦格子を設けることで、外部からの視線を程よく遮りながら、光と風を通します。陰影が美しい、趣のあるエントランスを演出します。 - 実例11:リビング横に設けた小上がりの畳スペース
リビングの一角に小上がりの畳スペースを設置。腰かけてくつろいだり、子供の遊び場になったりと多目的に使え、段差下は便利な収納スペースとしても活用できます。 - 実例12:間接照明が優しく照らす寝室
天井やベッドヘッドに間接照明を仕込み、柔らかな光でリラックスできる寝室に。和紙調のブラインドや低いベッドフレームを選ぶことで、より落ち着いた和の空間が完成します。
海外のようなアメリカンスタイルの家
開放的でカジュアルな雰囲気が魅力のアメリカンスタイル。広いカバードポーチやラップサイディングの外壁、切妻屋根などが特徴的です。家族や友人との時間を楽しむ、明るくフレンドリーな暮らしが似合います。
- 実例13:家族でBBQを楽しむカバードポーチ
屋根に覆われた広いウッドデッキスペース「カバードポーチ」。リビングの延長として、天候を気にせずバーベキューやティータイムを楽しめる、人気の空間です。 - 実例14:ラップサイディングが美しいサーファーズハウス
細長い板を重ね張りしたラップサイディングの外壁が、西海岸のサーファーズハウスを彷彿とさせます。爽やかなブルーやホワイトでカラーリングするのが人気です。 - 実例15:ヘリンボーンの床がアクセントのリビング
床材をV字に組んで張るヘリンボーンは、空間に奥行きと表情を与えます。ヴィンテージ感のある家具やインテリアと相性が良く、おしゃれなカフェのような雰囲気を演出します。
【間取り・特徴別】オーダーメイド住宅のこだわり実例
続いて、暮らしやすさや楽しさを追求した、間取りや特徴にこだわった実例をご紹介します。ライフスタイルに合わせた間取りは、オーダーメイド住宅の醍醐味です。
開放感あふれる吹き抜けリビングのある家
上下階を繋ぐ吹き抜けは、圧倒的な開放感と明るさを住まいにもたらします。家族がどこにいても気配を感じられる一体感も魅力の一つ。シーリングファンを設置すれば、空気を循環させて快適な室温を保つ助けにもなります。
- 実例16:リビング階段と組み合わせた大空間
吹き抜け空間にリビング階段を設けることで、よりダイナミックで開放的な空間に。階段がインテリアの一部となり、家族のコミュニケーションも自然と生まれます。 - 実例17:高窓から空を望む明るいリビング
吹き抜けの高い位置に窓(高窓)を設けることで、プライバシーを守りながら安定した光を室内の奥まで届けます。時間と共に移り変わる空の景色を楽しめます。 - 実例18:2階ホールをスタディスペースとして活用
吹き抜けに面した2階ホールにカウンターを造作し、家族共用のスタディスペースに。1階のリビングにいる家族と繋がりながら、集中できる空間が生まれます。
家族が繋がる中庭のあるオーダーメイド住宅
建物で囲まれた中庭(パティオ)は、プライバシーを確保しながら光と風を室内に取り込める人気の間取りです。外部からの視線を気にすることなく、カーテンを開けて開放的に暮らせるのが最大のメリットです。
- 実例19:どの部屋からも緑を眺められるコの字型の家
建物をコの字型に配置し、中央に中庭を設計。リビングやダイニング、寝室など、どの部屋からも中庭の緑を眺めることができ、暮らしに潤いを与えます。 - 実例20:アウトドアリビングとして楽しむウッドデッキの中庭
中庭全体にウッドデッキを敷き、リビングとひと続きのアウトドアリビングとして活用。テーブルセットを置いて、休日のブランチや星空の下でのディナーを楽しめます。 - 実例21:シンボルツリーが家の中心にある住まい
中庭にシンボルツリーを一本植えるだけで、住まいの中心に四季の移ろいを感じられるようになります。夜はライトアップすれば、幻想的な雰囲気を楽しめます。
趣味を楽しむビルトインガレージの家
建物と一体化したビルトインガレージは、大切な愛車を雨風から守るだけでなく、多目的な趣味の空間としても活用できます。天候に左右されずに車やバイクのメンテナンスができるのは、車好きにはたまりません。
- 実例22:リビングから愛車を眺めるガレージ
ガレージとリビングの間を大きなガラス窓で仕切ることで、まるでショールームのようにお気に入りの車を室内から眺められます。暮らしと趣味が融合した、至福の空間です。 - 実例23:整備工具がすっきり収まる壁面収納
ガレージの壁一面に有孔ボードや棚を設置し、工具やアウトドア用品を「見せる収納」で整理。機能的でありながら、インダストリアルなデザイン性も楽しめます。 - 実例24:玄関から直接アクセスできる便利な動線
ガレージから直接室内に入れる動線を確保。雨の日の買い物帰りでも濡れることなく荷物を運び込めるなど、日々の暮らしの利便性が格段に向上します。
暮らしやすい平屋のオーダーメイド住宅
ワンフロアで生活が完結する平屋は、階段の上り下りがなく、効率的な生活動線を実現できるのが魅力です。将来を見据えたバリアフリー設計がしやすく、幅広い世代から支持されています。
- 実例25:勾配天井で縦の広がりを演出したLDK
平屋ならではの屋根形状を活かした勾配天井は、空間に縦の広がりと開放感をもたらします。平屋のコンパクトさを感じさせない、伸びやかなLDKが実現します。 - 実例26:ウッドデッキで庭とリビングを繋ぐ間取り
リビングの掃き出し窓からフラットに繋がるウッドデッキを設置。内と外の境界が曖昧になり、庭を身近に感じながら暮らせる、自然と一体化した住まいです。 - 実例27:生活動線がコンパクトにまとまった回遊性のある間取り
キッチン、パントリー、洗面所、ファミリークローゼットなどを回遊できる動線に配置。家事の移動距離が短くなり、日々の負担を軽減する効率的な間取りです。
家事動線を考え抜いた間取りの家
共働き世帯が増える現代において、家事の効率化は家づくりの重要なテーマです。「洗う→干す→しまう」といった一連の作業がスムーズに行える動線計画は、暮らしの質を大きく左右します。
- 実例28:洗濯が1ヶ所で完結するランドリールーム
洗面脱衣室に室内干しスペースとファミリークローゼットを隣接させたランドリールーム。洗濯から収納までの一連の作業がその場で完結し、家事時間を大幅に短縮できます。 - 実例29:「おかえり動線」で片付く玄関クローク
玄関からシューズクロークを通り、そのままパントリーやキッチンへ抜けられる動線を確保。帰宅後すぐにコートを掛け、荷物を片付けられるため、リビングが散らかりにくくなります。 - 実例30:キッチン中心の回遊動線で家族が協力しやすい家
アイランドキッチンを中心に、ダイニングやパントリー、リビングをぐるりと回遊できる間取り。複数人での作業がしやすく、家族が自然と家事に参加しやすい環境をつくります。
そもそもオーダーメイド住宅とは 注文住宅との違いを解説
理想の住まいを考え始めたとき、「オーダーメイド住宅」と「注文住宅」という言葉を耳にすることがあるでしょう。これらは似ているようで、実は自由度の範囲に違いがあります。ここでは、オーダーメイド住宅の定義と、一般的な注文住宅との違いを分かりやすく解説します。
オーダーメイド住宅とは、建築家や設計事務所と二人三脚で、間取りやデザイン、素材、性能など、すべてをゼロから自由に設計してつくり上げる家のことです。既成のプランはなく、土地の形状や法規制、そして何よりも住む人のライフスタイルや価値観を最大限に反映させた、世界に一つだけの住まいを実現できます。これは注文住宅の中でも「フルオーダー住宅」と呼ばれるものとほぼ同義です。
一方、「注文住宅」という言葉は、ハウスメーカーなどが提供する「セミオーダー住宅」も含む、より広い意味で使われることが一般的です。セミオーダー住宅は、用意された基本プランや仕様の中から好みのものを組み合わせていくスタイルで、フルオーダーに比べると選択肢に制限があります。それぞれの違いを下の表で確認してみましょう。
| 種類 | オーダーメイド住宅(フルオーダー) | セミオーダー住宅 | 建売住宅 |
|---|---|---|---|
| 設計の自由度 | ◎ 制限なく自由に設計可能 | △ 基本プランの中から選択・変更 | × 変更不可 |
| デザイン・仕様 | ◎ 制限なく自由に選択可能 | △ 標準仕様やオプションから選択 | × 変更不可 |
| 費用 | 高くなる傾向 | 比較的抑えやすい | 明確で分かりやすい |
| 工期 | 長い(1年半〜) | 比較的短い(1年〜) | なし(完成済み) |
| 手間 | 多い(打ち合わせ多数) | 比較的少ない | 少ない |
このように、オーダーメイド住宅は、家づくりにおけるあらゆる要素を自分たちで決められる、最も自由度の高い選択肢といえます。
オーダーメイド住宅のメリット
オーダーメイド住宅には、他の建築方法にはない多くの魅力があります。理想の暮らしを実現するための、主なメリットを見ていきましょう。
メリット1:設計の自由度が非常に高い
最大のメリットは、間取り、デザイン、素材、設備、性能のすべてを自由に決められることです。家族構成やライフスタイル、趣味に合わせて「書斎が欲しい」「開放的な吹き抜けが欲しい」「家事動線をスムーズにしたい」といった細かな要望をミリ単位で反映できます。既成概念にとらわれない、あなただけの理想の空間を創造できるのです。
メリット2:土地の個性を最大限に活かせる
オーダーメイド住宅は、土地の形状に合わせて最適な設計が可能です。例えば、旗竿地や狭小地、傾斜地といった条件のある土地でも、その特性を魅力に変えるプランニングができます。光の取り入れ方や風の通り道、窓からの景色などを計算し尽くし、土地のポテンシャルを最大限に引き出した快適な住まいを実現します。
メリット3:唯一無二のデザイン性を追求できる
外観のフォルムから内装の素材感、照明計画や造作家具に至るまで、細部にわたってこだわりを追求できます。建築家の独創的なアイデアとあなたの感性を融合させることで、ありきたりではない、アート作品のようなオリジナリティあふれる住まいが手に入ります。暮らしそのものが豊かになる、愛着の湧く家づくりが可能です。
オーダーメイド住宅のデメリット
多くの魅力がある一方で、オーダーメイド住宅には時間や費用、手間といった面で考慮すべき点も存在します。契約後に後悔しないよう、デメリットもしっかりと把握しておきましょう。
デメリット1:費用が高額になる傾向がある
ゼロから設計し、仕様や素材も自由に選べるため、こだわればこだわるほど建築費用は高くなります。設計料が別途必要になるケースも多く、セミオーダー住宅や建売住宅に比べて、総額が高額になりやすいことは覚悟しておく必要があります。綿密な資金計画と、要望の優先順位付けが不可欠です。
デメリット2:完成までに時間と手間がかかる
建築家との打ち合わせを何度も重ね、膨大な数の項目を一つひとつ決めていく必要があります。土地探しから入居まで、1年半から2年以上かかることも珍しくありません。理想の家を実現するためには、施主自身も多くの時間とエネルギーを注ぐ情熱が求められます。
デメリット3:完成形を正確にイメージしにくい
すべてがオーダーメイドのため、参考にできる実物のモデルハウスがありません。図面や模型、CGパースなどでイメージを共有しながら進めますが、実際に完成するまで空間の広さや素材の質感、光の入り方などを正確に把握するのは難しい側面があります。建築家とのコミュニケーション能力や、完成イメージをすり合わせるための工夫が重要になります。
おしゃれなオーダーメイド住宅を建てるための5つのポイント
世界にひとつだけの理想の住まいを実現できるオーダーメイド住宅。しかし、自由度が高いからこそ「何から手をつければ良いかわからない」と悩む方も少なくありません。ここでは、デザイン性と暮らしやすさを両立させた、おしゃれなオーダーメイド住宅を建てるために押さえておきたい5つの重要なポイントを、専門的な視点から分かりやすく解説します。
ポイント1 デザインコンセプトを明確にする
家づくりを始める前に、まずは「どのような家で、どのような暮らしがしたいか」というデザインコンセプトを明確にすることが最も重要です。コンセプトは、家づくりにおける羅針盤のような役割を果たします。設計の打ち合わせや仕様決めの際に判断に迷ったとき、明確なコンセプトがあれば、判断基準がブレることなく、統一感のある住まいを実現できます。
まずは、InstagramやPinterest、住宅雑誌などで好みの写真やデザインを集めてみましょう。集めた写真を見ながら「なぜこのデザインが好きなのか」「どの部分に惹かれるのか」を分析し、家族で理想の暮らしについて話し合うことで、自分たちだけのコンセプトが見えてきます。例えば、「開放的なリビングで家族が自然と集まる家」「趣味の時間を満喫できる隠れ家のような書斎がある家」など、具体的な暮らしのイメージを言葉にしてみるのがおすすめです。
ポイント2 素材選びで差をつける
家の印象や質感は、使われる素材によって大きく左右されます。特に、床材や壁材、外壁など、面積の大きい部分にこだわることで、空間の質は格段に向上します。素材にはそれぞれ特性があり、デザイン性だけでなく、メンテナンス性や耐久性、機能性も考慮して選ぶことが大切です。
例えば、床材には温かみのある無垢材、スタイリッシュな印象のタイル、メンテナンスしやすい複合フローリングなどがあります。壁材も、デザイン豊富なクロスだけでなく、調湿効果や消臭効果が期待できる漆喰や珪藻土などの自然素材、空間のアクセントになるデザインタイルの「エコカラット」などを検討するのも良いでしょう。素材選びでは、小さなサンプルだけで判断せず、ショールームなどで実際に使われている様子や、大きな面積で見たときの印象を確認することが、後悔しないための秘訣です。
ポイント3 光と風を取り込む設計を意識する
心地よい住空間を創り出す上で、自然の光と風をいかに上手に取り込むかは非常に重要な要素です。この設計思想は「パッシブデザイン」とも呼ばれ、快適性を高めるだけでなく、冷暖房の使用を抑え、省エネルギーな暮らしにも繋がります。
光を取り込むためには、単に大きな窓を設けるだけではありません。時間帯による太陽の動きを計算し、安定した光を取り込める高窓(ハイサイドライト)や、プライバシーを確保しつつ足元を明るくする地窓、空間の奥まで光を届ける吹き抜けや天窓(トップライト)などを効果的に配置することが求められます。また、風の通り道を意識した窓の配置計画も重要です。卓越風(その地域で年間を通して最も頻繁に吹く風)を考慮し、風の入口と出口を作ることで、家全体に爽やかな空気が流れるようになります。土地の特性を読み解き、最適な設計を提案してくれる設計者との連携が鍵となります。
ポイント4 収納計画を徹底する
おしゃれな空間を維持するためには、生活感を感じさせないための「収納計画」が欠かせません。オーダーメイド住宅では、自分たちの持ち物やライフスタイルに合わせて、最適な場所に最適な量の収納を造作できるのが大きな魅力です。収納計画で大切なのは「量」だけでなく、「質」と「配置」です。
まずは現在お持ちの物をリストアップし、これから増えるものも想定して必要な収納量を算出します。その上で、「どこで何を使うか」をシミュレーションし、生活動線上に収納を配置することがポイントです。例えば、玄関には靴だけでなくコートやアウトドア用品もしまえるシューズインクローゼット、キッチンには食材や調理器具をまとめてストックできるパントリー、洗面脱衣室には家族全員分の下着やタオルをしまえるリネン庫を設けるなど、「使う場所の近くにしまう」という適材適所の収納計画が、日々の片付けを楽にし、すっきりとした空間を保つ秘訣です。
ポイント5 外構や植栽までトータルで考える
家づくりというと、つい建物本体のことばかりに目が行きがちですが、住まいの印象を決定づける上で「外構(エクステリア)」や「植栽」は非常に重要な役割を担います。建物と外構は一体であり、設計の初期段階からトータルで計画を進めることが、洗練された住まいを実現するための鍵となります。
外構は、門扉やアプローチ、フェンス、駐車場、ウッドデッキなどで構成され、デザイン性はもちろん、プライバシーの確保や防犯といった機能面も担います。植栽は、シンボルツリーや生垣、下草などが住まいに彩りと季節感を与え、暮らしを豊かにしてくれます。例えば、リビングの窓から見える場所に美しい樹形の木を植えれば、室内からの景色が「借景」となり、空間に広がりと安らぎをもたらします。建物と外構の予算を別々に考えるのではなく、総予算の中でバランス良く配分し、統一感のある計画を立てることが、後悔しないための重要なポイントです。
| 要素 | 主な役割 | 計画のポイント |
|---|---|---|
| アプローチ | 玄関までの動線、住まいの第一印象を決定づける | 歩きやすさ(素材、段差)、夜間の照明計画、デザイン性 |
| 駐車場・ガレージ | 車の保管、雨天時の乗り降りの利便性 | 所有台数、将来の計画、玄関への動線、カーポートのデザイン |
| フェンス・塀 | プライバシー確保、防犯、隣地との境界線 | 高さ、素材(アルミ、木製、ブロックなど)、圧迫感のないデザイン |
| ウッドデッキ・テラス | リビングと庭を繋ぐ中間領域、屋外リビングとしての活用 | 素材の耐久性・メンテナンス性、日当たり、室内からの見え方 |
| 植栽(シンボルツリーなど) | 季節感の演出、目隠し、日除け、外観のアクセント | 樹種(常緑樹/落葉樹)、成長後の大きさ、日当たり、メンテナンス |
オーダーメイド住宅の費用相場と予算の考え方
理想の住まいを実現するオーダーメイド住宅ですが、多くの方が気になるのはやはり「費用」ではないでしょうか。自由度が高い分、費用も青天井になりやすいという側面もあります。ここでは、後悔しない家づくりのために不可欠な費用相場と、賢い予算の考え方について専門的な視点から詳しく解説します。
建築費用の内訳と坪単価の目安
オーダーメイド住宅にかかる総費用は、大きく分けて「本体工事費」「別途工事費」「諸費用」の3つで構成されます。それぞれの内容と費用の割合を理解しておくことが、正確な資金計画の第一歩です。
| 費用項目 | 主な内容 | 総費用に占める割合の目安 |
|---|---|---|
| 本体工事費 | 基礎工事、構造躯体、内外装、住宅設備(キッチン・バス・トイレなど)の設置など、建物そのものをつくるための費用。 | 70%~80% |
| 別途工事費 | 外構(門、塀、駐車場など)、庭の植栽、給排水管やガス管の引き込み工事、地盤改良工事、古い家の解体費用など。 | 15%~20% |
| 諸費用 | 建築確認申請費用、登記費用、住宅ローン手数料、火災保険料、不動産取得税、印紙税など、工事以外で必要となる費用。 | 5%~10% |
よく耳にする「坪単価」は、一般的に「本体工事費 ÷ 延床面積(坪)」で算出されます。しかし、この坪単価の計算方法には統一されたルールがなく、どこまでの費用を含むかは建築会社によって異なります。例えば、照明器具やカーテン、基本的な住宅設備が含まれている場合もあれば、含まれていない場合もあります。そのため、坪単価はあくまで目安として捉え、金額だけで比較するのではなく、必ず見積もりの内訳を詳細に確認することが重要です。
依頼先による坪単価の一般的な目安は以下の通りです。ただし、建物の仕様やデザイン、地域によって大きく変動します。
| 依頼先 | 坪単価の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 工務店 | 60万円~90万円程度 | 地域密着型で、仕様の自由度とコストのバランスが取りやすい傾向があります。 |
| 設計事務所 | 80万円~120万円程度 | デザイン性が高く独創的な設計が可能。設計料が別途必要になります。 |
| ハウスメーカー | 90万円~130万円程度 | 品質が安定しており、ブランド力や保証が充実。仕様の標準化により高価格帯になることもあります。 |
予算内で理想の家を建てるためのコスト管理術
理想をすべて詰め込むと、予算はあっという間に膨らんでしまいます。予算内で満足度の高いオーダーメイド住宅を実現するためには、計画段階からのコスト管理が鍵となります。ここでは、実践的なコスト管理のポイントを5つご紹介します。
ポイント1:こだわりたい部分の優先順位を決める
家づくりにおいて、すべての要望を最高グレードで叶えるのは現実的ではありません。「絶対に譲れない条件」と「妥協できる部分」を家族で明確に話し合い、優先順位をつけることが最も重要です。例えば、「リビングからの眺望と開放感は最優先したいので、大きな窓と吹き抜けは必須」「子供部屋の内装は将来変更する可能性があるので、今はシンプルな仕様でコストを抑える」といったように、メリハリのある予算配分を心掛けましょう。
ポイント2:建物の形状をシンプルにする
建物の形状は、建築コストに大きく影響します。凹凸の多い複雑なデザインの家は、外壁の面積が増え、屋根の形状も複雑になるため、材料費も施工の手間もかかり、コストが上昇します。一方で、正方形や長方形に近いシンプルな「総二階建て」のような箱型の形状は、コストを抑えやすい代表的なデザインです。構造的にも安定しやすく、耐震性の面でもメリットがあります。
ポイント3:設備や建材のグレードを適切に選ぶ
キッチンやユニットバス、トイレといった住宅設備は、グレードによって価格が大きく異なります。最新の多機能なモデルは魅力的ですが、本当にその機能が必要かを見極めることが大切です。まずは標準仕様を基本に考え、こだわりたい部分だけオプションを追加したり、グレードを上げたりするのが賢い選択です。また、床材や壁紙などの建材も、来客の目に触れるリビングは上質なものを選び、プライベートな空間はコストを抑えたものにするなど、場所に応じた使い分けを検討しましょう。
ポイント4:間仕切りを減らしたオープンな間取りを検討する
壁やドアといった間仕切りが少なければ、その分の材料費や工事費を削減できます。リビング・ダイニング・キッチンを一体化させたオープンなLDKや、将来的に間仕切り壁を設置できるように設計された子供部屋などは、コストダウンに繋がるだけでなく、開放的で家族のコミュニケーションが取りやすい空間づくりにも貢献します。
ポイント5:複数の会社から詳細な見積もりを取得する
理想の家づくりを託すパートナーを選ぶ上で、複数の会社から相見積もりを取ることは必須です。その際、単に総額の安さだけで判断するのではなく、同じ要望に対してどのような提案をしてくれるのか、見積もりに含まれる工事内容や仕様が詳細に記載されているかを確認しましょう。詳細な見積もりを比較検討することで、各社の強みや価格の妥当性を客観的に判断でき、予算内で最高のパフォーマンスを発揮してくれる依頼先を見つけることができます。
後悔しないオーダーメイド住宅の依頼先の選び方
理想のオーダーメイド住宅を実現するためには、家づくりのパートナーとなる依頼先選びが最も重要です。依頼先は大きく分けて「設計事務所」「工務店」「ハウスメーカー」の3つに分類され、それぞれに特徴、メリット、デメリットが存在します。自分たちの価値観や家づくりに求める要望に合ったパートナーを選ぶことが、後悔しないための第一歩です。ここでは、それぞれの依頼先の特徴を詳しく解説し、比較検討するためのポイントをご紹介します。
設計事務所に依頼するメリットとデメリット
設計事務所は、建築家が施主の要望をヒアリングし、オーダーメイドで住宅の設計を行う専門家集団です。施工は行わず、設計と工事監理に特化しているのが特徴。施主の代理人として、工務店が設計図通りに施工しているかをチェックする役割も担います。
最大のメリットは、白紙の状態から理想を追求できる、圧倒的な設計の自由度の高さです。変形地や狭小地といった土地の制約をクリエイティブなアイデアで克服し、唯一無二のデザインを実現できます。また、第三者の立場で施工品質を厳しく監理してくれるため、質の高い住まいが期待できる点も大きな安心材料です。
一方で、設計・監理料が工事費とは別途必要になる点や、建築家との対話を重ねながらプランを練り上げるため、完成までに時間がかかる傾向がある点は考慮が必要です。建築家との相性が家づくりの満足度を大きく左右するため、価値観やデザインの好みが合うかどうかの見極めが不可欠です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メリット |
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| デメリット |
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工務店に依頼するメリットとデメリット
工務店は、地域に密着して設計から施工までを一貫して手掛ける会社です。地域での評判を大切にし、一棟一棟丁寧に家づくりを行うのが特徴。得意とする工法やデザインテイストは会社によって様々で、木の家づくりを得意とする工務店も多く見られます。
工務店の魅力は、地域に根ざした対応力と、コストと自由度のバランスの良さにあります。ハウスメーカーほどの制約がなく、施主の要望に対して柔軟に対応してくれるケースが多いでしょう。また、設計と施工が一体となっているため、現場の職人とのコミュニケーションがスムーズで、細かな仕様変更にも対応しやすいのが強みです。広告宣伝費などを抑えている分、コストパフォーマンスに優れる傾向もあります。
ただし、品質や技術レベル、デザイン提案力に会社ごとの差が大きいため、依頼先を見極める目が必要です。会社の規模によっては、長期的な保証やアフターサービスの体制が大手ほど充実していない場合もあるため、契約前にしっかりと確認することが重要になります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メリット |
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| デメリット |
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ハウスメーカーに依頼するメリットとデメリット
ハウスメーカーは、全国規模で事業を展開する大手住宅会社です。自社で開発した建材や工法を持ち、住宅を商品として規格化・システム化して提供しています。総合住宅展示場にモデルハウスを構えているため、実物を見学してイメージを掴みやすいのが特徴です。
ハウスメーカーを選ぶ最大のメリットは、工場生産による品質の安定性と、手厚い保証・アフターサービスにあります。長期間の保証制度や定期的な点検など、入居後も安心して暮らせるサポート体制が整っています。また、ブランドとしての信頼性や豊富な実績も魅力であり、住宅ローンの手続きなどもスムーズに進むことが多いです。
その反面、規格化された商品がベースとなるため、設計の自由度には一定の制約があります。オーダーメイド住宅といっても、フルオーダーではなく、用意された選択肢の中から選んでいくセミオーダー形式が中心となります。広告宣伝費や研究開発費などが価格に反映されるため、坪単価は比較的高くなる傾向にあります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メリット |
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| デメリット |
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オーダーメイド住宅が完成するまでの流れ
理想の住まいを実現するオーダーメイド住宅は、構想から完成まで多くのステップを踏む長期的なプロジェクトです。一般的に、最初の相談から引き渡しまでには1年から1年半ほどの期間を要します。ここでは、家づくりがどのような流れで進むのか、4つの主要なステップに分けて具体的に解説します。全体の流れを把握することで、計画的に、そして安心して家づくりを進めることができるでしょう。
ステップ1 相談とヒアリング
家づくりの第一歩は、パートナーとなる依頼先(設計事務所、工務店、ハウスメーカー)を見つけ、相談することから始まります。この段階では、ご自身の理想の暮らしや住まいに対する夢、価値観を具体的に伝えることが非常に重要です。
ヒアリングでは、以下のような内容について話し合います。
- 家族構成やライフプラン
- 趣味や休日の過ごし方
- 現在の住まいの不満点と、新しい家で実現したいこと
- 希望するデザインのテイスト(シンプルモダン、ナチュラル、北欧風など)
- おおよその予算や資金計画
- 希望するエリアや土地の有無
雑誌の切り抜きやインスタグラムで保存した画像など、理想のイメージを共有できる資料を用意しておくと、建築家や設計士との認識のズレを防ぎ、よりスムーズに想いを伝えることができます。このヒアリングを通して、信頼できるパートナーかどうかを見極めましょう。このステップの期間は、依頼先探しを含め、およそ1ヶ月から3ヶ月が目安です。
ステップ2 土地探しとプランニング
ヒアリングで共有した内容をもとに、具体的なプランニングへと進みます。すでに土地をお持ちでない場合は、土地探しも並行して行います。
土地探しは、希望エリアの不動産情報だけでなく、建ぺい率や容積率といった法的な規制、日当たりや周辺環境などを考慮する必要があります。建築のプロである依頼先と連携することで、その土地の特性を最大限に活かしたプランニングが可能になります。地盤の強度によっては改良工事が必要になる場合もあるため、専門家による地盤調査も重要なプロセスです。
プランニングでは、建築家や設計士が間取り図や外観のパース図といった「基本設計」と、概算の見積書を作成します。提示されたプランが自分たちの理想と合っているか、生活動線に無理がないかなどをじっくりと検討し、納得がいくまで修正を重ねていきましょう。このステップにかかる期間は、土地探しを含めると2ヶ月から4ヶ月程度が一般的です。
ステップ3 設計と契約
基本設計と概算見積もりに合意したら、さらに詳細な設計と正式な契約に進みます。この段階で、家の仕様に関する細かな部分を一つひとつ決定していきます。
「実施設計」と呼ばれるこのプロセスでは、基本設計をもとに、内外装の仕上げ材、キッチンやお風呂などの設備、窓の種類、コンセントやスイッチの位置といった、建物を実際に建てるために必要な詳細な図面を作成します。この実施設計図が完成すると、それに基づいた正確な「詳細見積書」が提示されます。
同時に、設計図が建築基準法などの法律に適合しているかを確認する「建築確認申請」を行政機関へ提出します。すべての図面と見積もりの内容に合意できたら、施工会社と「工事請負契約」を締結します。契約書や見積書、設計図は専門的な内容が多いため、不明な点は必ず契約前に確認し、すべて解消しておくことが後悔しないための鍵です。住宅ローンの本審査もこのタイミングで進めるのが一般的です。設計から契約までの期間は、およそ2ヶ月から4ヶ月が目安となります。
ステップ4 着工から完成まで
工事請負契約が完了し、建築確認済証が交付されると、いよいよ工事が始まります。安全を祈願する地鎮祭を行い、基礎工事から着工するのが一般的です。
工事が始まると、主に以下のような流れで進んでいきます。
| 工程 | 内容 |
|---|---|
| 基礎工事 | 建物の土台となるコンクリートの基礎を造る工事。 |
| 上棟(棟上げ) | 柱や梁など、建物の骨組みを一日で組み上げる工程。 |
| 内外装工事 | 屋根や外壁、窓の取り付け、内装の壁紙や床材、設備の設置などを行う。 |
| 竣工 | すべての工事が完了した状態。 |
工事期間中は、定期的に現場に足を運び、工事の進捗状況をご自身の目で確認することをおすすめします。図面だけでは分かりにくかった空間の広さや光の入り方などを体感できるほか、現場の職人さんや監督とコミュニケーションを取る良い機会にもなります。
建物が完成すると、竣工検査(完了検査)を経て、最後に施主が立ち会いのもとで「施主検査」を行います。図面通りに仕上がっているか、傷や汚れ、設備の不具合がないかを細かくチェックし、問題があれば手直しを依頼します。すべての確認が終わり、残金の決済が完了すると、鍵や保証書が渡され、ついに夢のマイホームの「引き渡し」となります。着工から完成までの期間は、建物の規模や仕様にもよりますが、6ヶ月から8ヶ月程度が目安です。
まとめ
本記事では、インスタグラムで人気の高いおしゃれなオーダーメイド住宅の実例を30選ご紹介するとともに、理想の住まいを実現するための具体的なポイントや費用、依頼先の選び方までを網羅的に解説しました。オーダーメイド住宅は、デザインや間取りの自由度が高い分、ご自身の理想を明確にし、計画的に進めることが成功の鍵となります。
後悔しないオーダーメイド住宅を建てるために最も重要な結論は、「明確なデザインコンセプト」「信頼できるパートナー選び」「無理のない資金計画」の3つを徹底することです。ご紹介した5つのポイントを参考に理想の暮らしを具体化し、設計事務所や工務店、ハウスメーカーそれぞれの特徴を理解した上で、ご自身の価値観に合う依頼先を見極めることが不可欠です。
この記事で紹介した数々の実例が、あなたの家づくりのインスピレーションとなれば幸いです。まずはご家族で理想の暮らしについて話し合い、気になる会社の資料請求や見学会に参加することから、夢のマイホーム計画をスタートさせてみてはいかがでしょうか。